店番中、同じシフトの同僚ととりとめもなく雑談していて、いつの間にか話題はお正月だった。そのひとには二人の娘と二歳の孫がいるらしく、年末年始は勢ぞろいして、随分賑やかに過ごすらしい。お雑煮は白みそに丸餅の京都風で、子どものころから元旦に食べていた味。だけど実家では二日目に違う種類のお雑煮が出されたそうで、おすましにあなごを焼いたのと、焼餅とが入っていたらしい。それもとってもおいしかったけど、今は自分では作らないんだそうだ。話を聞きながら、私は実家の雑煮の作り方なんか、全然知らないなと思った。教えてほしい気持ちもあったけど、失われそうなものを引き継ごうとしているみたいに思われたら嫌だなと思って、聞けなかった。いつか聞けなくなるのだと知っていることを、知らせたくなかった。今度帰省した時にはごく軽い調子で聞けるような気がする。
バイト後、友人とマクドナルドに行った。友人は高校三年生で、来週受験を控えている。教科は日本史で、私は世界史選択だったから、何も教えられなくて申し訳ない。木戸孝允って誰？て言っちゃった。せめてもう少し早く、同じ問題集を買うなどして、一緒に勉強すればよかったと思う。次に受験生の年下の友人をもったら、そうしたい。
この間に懸案事項が二つ三つ決着した（はず）。天気のいい日に決めたことに間違いはないと思い込んでいる。
