11/10

昨日は授業を受けるために大阪に行った。京都河原町駅から阪急電車に乗り、乗降口に近い窓際の席で、読まなければいけない資料を横目に窓の外ばかり眺めていた。一番近くに見える景色はピュンと流れて残像しか残らない。通り過ぎた少し向こうのものの方がよほどはっきり見えるけど、見ているうちにどんどん遠ざかって窓枠の向うに消える。なるほどそういうことだったかと悟ったような気持ちで、久々にクリープハイプが聞きたくなった。/同じ景色を眺めながら昨日と違うことを考えるのは難しい。思考はある程度具体的な場所に拘束されることを了解しておくべきである。/柴田聡子の新曲に「どこにだってあるものでもこことそこじゃ違うので、ここにないからどこかにあると思って来ただけです」という歌詞がある。これからもいろんな場面で助けられる一節だと思う。柴田聡子の歌詞にはっとすることは多いけど、説かれていると感じたことはなく、なんか川沿いの石碑に刻まれてるみたい。好ましい景色の一部と捉えて、輪郭だけ眺めて通り過ぎることもできるけど、立ち止まって読んでみると力強さにびっくりする。「すこやかさ」の「努力は大事でしょ」とかもすごい。/行きつけの喫茶店で、観葉植物の鉢をひっくり返して座席を土まみれにした。今同じ喫茶店でこれを書いている。土まみれのことはたった今思い出した。この前「そのまま帰っていいですよー」と言ってくれた店員さんと同じ人が接客してくれているのに、まだ何の挨拶もしていない。自分の恩知らずさに呆れ果てる。/直近の雑感はこんなところ。