昨日も何故か上手く眠れなかった。腹が減ったので6時くらいに起き上がってパンと牛乳を口にして、ごみを出して、もう一度横になったら少しうとうとした。10時に目が覚めて、何となく口さみしいのでトマト4分の1とソーセージ二本食べた。3限の資料を読みながらダラダラと支度して、11時過ぎに家を出る。曇っていたからか、腕を丸出しにしているのは私だけで少々恥ずかしかった。
図書館に行ったら後輩と入れ違いになった。目配せしても気づかない様子なので、癪に触ってずいと近寄ったら驚いた顔をした。向こうは出口に向かいながら何か言っていたけど、私は返却カウンターの前で後輩をねめつけたまま黙りきりだった。ただでさえ滑舌が悪い上、言うことを決めないまま口を開いて、もにょもにょ喋る癖がある。何度も聞き返させるのは悪くて、声を潜めて喋るのも、マスク越しに喋るのも嫌いである。だけどせっかく久しぶりに会ったのだから、「元気だった?」とか、聞けばよかったと思う。こころなしか背が伸びて、痩せていた気がする。
ちょっとだけ急ぎ目に借りる本を選んで外に出たが、当然姿は見えなかった。用事があったもう一方の図書館でも、裏手にまわってのぞき込んでみたけれど、会いたかった猫はいなかった。何となくぽこりと心がくぼむ。
ぎりぎりで3限に間に合う。今日の議論は何となくついていけたのでよかった。発表していた留学生の方が「この研究には意義がある」と言い切っていて格好良かった。背後の壁にかかっているマウンテンバイクの鮮やかな赤色が、真っ白なポロシャツの襟を立てて着ている本人によく似合うと思った。
北杜夫の「船乗りクプクプの冒険」を読み始めて、読み終える。あんまりデタラメなので、どういう風に着地するのかなと様子をうかがっていたらデタラメなまま終わってしまい、思わず「それでいいのか!?」と叫んでしまった。世の小学生たちがこれで満足するとは思えないが、そもそも彼らの満足であるとか、まるで気にしていない風である。これでいいのか。いいのかなあ。
夕飯にはなかしましほさんのレモンリゾットに残りものの青紫蘇を混ぜたやつと、ホイコーローからみそだれを除いて代わりにケチャップと醤油と酒を突っ込んだやつを食べた。春キャベツというには少しかたくて、ここにも春の終わりを感じる。食べ終わってまだ外が明るかったので、家の前のスーパーに行ったら友人に出くわした。嬉しかったが、何分久々の再会で、まごついた。まごついているうちに彼女の方から卒論やら何やらを心配され、まごついているうちに「じゃあね」と爽やかに挨拶され、スーと自転車で行ってしまったので、手を振って見送る。牛乳とパンと酒(料理酒、飲酒用)を買った。
少しばかり演習の準備を進めて、約束していた電話をかけた。二か月ぶりに喋る友人で、声を聞いて安心した。安心ついでに例の如くいらんことを喋った。当日記についても同じくである。「気にならないよ」と言いはしたが、上の文章は若干気負いながら書いている。以前の日記を軽く読み返したら想像以上にあほらしくて、こんなもののリンクを送り付けた己の所業に呆れ果てる。「もし読まれてみなさい、いよいよアタシの馬鹿がバレちまうわよ」とブルブル震えてみたけれども、今までにもそれなりに失態を働いているので、何を今更と思い直す。
それより少しだけ、見せたい気持ち、というか、開けた気分が勝ったのだった。書いている自分、書きつけに残る自分が以前にもまして、自分の構成要素として、大きな比重を占めるようになったので。もちろん、そこに手足口をつければ完成するとは思っていなくて、当然ここにだって、覚えていても書いてないこと、うっかり書き落としてそのままにしていることが、思い出したらいくつもある。このことは自分でも時々忘れるから気を付ける。兎も角、大事な一部であるにはあるが、一部は所詮一部である。
言い訳がましく聞こえるか。要は言い訳なのですね。本当に大事なことは直接話に行きますし、色々大目に見てほしい。さすがに今日は(これでも)少しばかり気負ったが、明日からまた、ただの日記。