8/5

8/1(土)

夜、友人に呼び出されて川辺で野菜ジュースを飲んだ。鬱々としてプチ家出を企てた彼、夜闇に紛れベンチに一人座っているだけでも十分アヤシイのに、黒いマスクをしているせいで余計にアヤシかった。以前同じような状況で私がすごく酔っぱらって、酔った勢いでかなり余計なことを言った(らしい)(あまり覚えていない)のを掘り返された。それから何かずっと引っ掛かりがあるらしく、「どういう気持ちで呼ばれてくれるのか」と聞かれ、一考して、「暇だからなあ」と答えた。彼すごく微妙な顔をしていたが。どうせ酔っているのだろうと思って買っていったミネラルウォーターは出番がなかった。

 

8/2(日)

朝五時半に起きて六時過ぎに家を出た。七時半には子どもと一緒に大文字山のふもとにいて、九時には左京区を一望していたと思う。早起きすればこんな芸当も可能なのである。大文字には初めて登ったが、予想外の険路で大いに汗をかいた。朝食を調達する予定だったパン屋が閉まっていて、責任者のおっちゃんが「ごはんはおりてからにしよ!」と気軽に言うので驚いたのだが、案の定空腹のために少しきつそうな子どもがいて、申し訳なく思った。他の子から貰ったお菓子を食べてよくなったらしい。崖にささったパイプから冷たい水が流れ出ていて、例のおっちゃんが「これは飲んでよし!」と宣言しガブガブ飲みはじめるのでこれまた驚く。一人が持ってきた手ぬぐいに水を含ませて、私の腕の上で絞ってくれたのが、大変気持ちよかった。下りはすいすい下りられた。一昨日一緒に映画を見た同僚とは相変わらずの距離感だった。もののけ姫の大ファンの高校生が一人いて、下山中ずっと、その子と同僚とで台詞暗唱大会をしていたので、一緒に見に行ったことだけは夢でも幻でもなかったらしいと知る。昼前には家に帰り着いて、シャワーを浴びてからカップヌードルと爽のバニラを食べた。恍惚としてそのまま寝た。卒論何も進まず。

 

8/3(月)

朝起きてすぐ、先生に面談希望のメールを送った。ぼーっとしているうちに送ってしまわないとまた躊躇してしまいそうだったので、正気を取り戻す前に送信した。図書館でひとしきり慌てたらどうにかなるような気がしてきたため、四時前に家に戻る。夜は寿木けいさんのカレーを作って、妹にも食わせた。

 

8/4(火)

十時過ぎには図書館。論文をコピーするために席を外したら、いつの間にか人が増えて座る場所がなくなっていたので、三時過ぎには帰路につく。銀行でアドビへの年貢を振り込んだ後、古本屋で『草枕』を購入。ついでに酒井英行氏の著書を見つけてしまい、要りそうにはなかったが無視できず購入した。

帰宅後、草枕を少し読み進めるがうたた寝。夜も勉強しようと思ったが、エビ中11周年記念配信を控えていたので集中できず。配信は大変よかった。最近、メンバー1人1人をフィーチャーした企画が週替わりで行われていて、毎日12時きっかりに2分ずつ配信される動画を給水所がわりにして生命維持に努めているが、やはりメンバー全員集まって戯れているのを見るのが一番楽しいし、嬉しい。小林歌穂さん推しは変わらずだが、最近星名美怜さんから目が離せない。インスタグラムの自撮り投稿やステージ上の煽りだけを見ていると「スキのない完璧なアイドル」という感じがするが、FCサイトには脱力した美怜ちゃんのふざけた動画が沢山あるので、助かる(助かる?)。寝る前に少しだけ相続とか葬式のことを調べた。

 

8/5(水)

七時四十分の新幹線に乗って帰省。せっかく明るいうちの新幹線なのに、眠くてずっとうつらうつらしていた。betcover!!の「中学生」というアルバムを流していたが、かなりいい。損得勘定抜きにして、「今どうしてもつくらないといけなかったので、つくりました」という感じがはしばしから伝わってくるアルバムだった。もう少し聞き込みたい。

今日は母方の祖母の90の誕生日だったので、家に帰ってまず祝辞を述べる。彼女相変わらず嫌そうで、「あたしは66から年取っていないから」とのたまっていた。動きがだいぶ緩慢になって、暫く美容室に行けていない髪の毛も薄いところが目立つようになったが、頭と口と料理の手に関してはまだまだ達者らしくて、安心した。こういうことを書いたと知れたら大目玉を食らうと思う。

夕方、叔父夫婦が大きなホールケーキを携えて来訪した。いつもこういう時は黙っているようにしていたけど、今日は結構頑張って喋った。正直昨晩の調べものの影響が大きいが(つまりいざという時の為に、親族は味方につけておいた方がいい、何かと)、話しかけられるのを待って、いざ何か言われても曖昧に微笑みかえすだけ、みたいな以前のコミュニケーションより、自分から喋る方がずっと楽しかった。この家の中で、自分から何かをよくしようと試みたことが今までほとんどなくて、なるべく何も感じないよう適当に受け流してきたけれど、何というか、こういう風にも振舞えるのだと、夕飯のお吸い物を丹塗りの椀に注ぎながら、考えていた。