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昨日は一度8時に目が覚めて、朝ドラを観ようかどうか迷いながら、でも最近の話の展開、ちょっと胸が痛むんだよなと思ってもう一度布団に入り、そこから二度寝三度寝して、13時前にようやく起き上がった。一枚だけ残った食パンにマーマレードを塗ったくってたべた。家に全く飲み物がなくて、卵も切らしていたので、しわくちゃのワンピースを頭からかぶり、サンダルをひっかけてスーパーに行く。横断歩道一つ渡ればすぐのところにあってありがたい。牛乳と一緒に買って帰った税込み86円の野菜生活は、陳列棚でちょうどよく冷えて、飲んだ先から体にしみとおる感じがした。

昨日放置した洗い物を片付けながら、突然記憶がよみがえり、羞恥心に悶え死ぬ。昨日は一日そんな風だった。何はともあれ書かなくちゃ、とはてブロを開いて、ぼつぼつと打ち込む。羞恥心が天を突くかというタイミングで書いたので、全然嘘ではないけれど、どう書き直しても演技じみて困った。今はもう少し落ち着いて書けている(どうでもいいが、PCで長い文章を作成することを「書く」と表現するのに少し躊躇がある。それでつくる、とか、打ち込む、とか、そういう言葉でごまかすが、コロケーション的にも気持ちの持ち方としてもやっぱり文章は「書き」たいので、そこのすり合わせがうまくいかなくて、もどかしい)。そうはいってもやっぱり一昨日が最悪だったのは間違いなくて、皆早く忘れてくれたらいいなーと思う。家を出られないのが、かえって少しありがたい。

何をやる気も起きなくて、友人が言っていた漫画アプリをダウンロードして、無料公開作品をぼーっと眺める。少女漫画はあまり読んでこなかった。中高生の色恋沙汰の話を読むのは、何となく背徳感(?)があって楽しい。楽しいのだが、今日は途中から段々受け付けなくなって、やめた。一方がこういう風に顔を近づければ、一方がこういう風に照れて、翌日の学校でも何も手につかずぼーっとして、そういう「お決まりのやり取り」というか、「お決まりのプロセス」みたいなものはあらゆるフィクションにつきものだと思うが、いつもなら安心の材料となるそれらに、今日は何となく嫌気がさした。勝田文という人の、「マリーマリーマリー」はよかった。ぽってりした感じの太い線と、森田の顔と、あと出てくる人みんないい人なのがよかった。「結婚したい」と叫びそうになったのでこらえた。

結婚したい。

さっきこらえられて偉かったので、今大きめに書いてみた。実のところ、自分が結婚しているところ、他人と寝食を共にしているところがあまり想像できない。結婚という状態の、その雰囲気に憧れているところが、多分にあるような気がする。ごちゃごちゃ書いているが結局、かなり不毛な妄想に取りつかれてしばらく苦しんだというだけの話である。never young beachの「あまり行かない喫茶店で」と「明るい未来」を聞く時も同じような気持ちになる。

結局夜までぐずついた感情を引きずったので、あまり何も考えないようにしながら餃子を沢山包んで焼いた。この前よりずいぶん上手くできて、「こういうことに限って一人きりの時の方がうまくいくんだよな」と考える。タネがあまったので中華まんを蒸す。2時間くらい台所に立って、ようやくPCを開いてzoomをつなげた。相手には分からないとたかを括って、twitterしたり漫画を読んだり、かなりさぼった。さぼってみたが、気分が悪い。私はつくづくわるい人になりきれない。「わるい人」というのは、例えば酔っぱらって人に迷惑をかけたり、例えば真夜中の赤信号を渡ったりして、誰かにとがめられた時に、ちょっと信用置けない感じの軽薄な笑い顔で「ゴメン」と謝ったり、すごく適当に開き直ったりするような人を言う。私はわるいことをすると、自分でやったくせに自分が真っ先に嫌になって、それを人からとがめられた暁にゃ、眉をひそめてムッとするか、もう誰も何も言えなくなるくらい深刻に落ち込むかのどちらかである。この前細馬宏通さんがツイキャスで「わるい人特有の滋味」という言葉を使っていたのがずっと耳に残っているのだが、何となくわかる気がしている。星野源はちょっとわるい人ぽいと思う。

皿を洗ったので後はもう寝るばかりである。明日から授業が始まるので、一旦気持ちを切り替えなければならない。気持ちが音楽の方による時と、散文の方による時とがあって、前者の状態では大抵自分や自分に近い人たちの感情にばかり興味が向いていて、後者はもっと遠いところに意識が飛んでいる、というような傾向がある、ように思われる。今は断然音楽の方だ。気持ちも内へ内へと向かって、それだからか、人に文章を書いて見せようという気にもなれずにいる。例の通信の更新が滞っているのはそのためである。今、何がどうなっていれば「いい状態」なのかよくわからなくて、そもそも今が「わるい状態」なのかどうかもわからなくて、腹の底で渦巻くブルーグレーのもやもやが、時々喉元までせりあがってくる。でもそんなふうになってる時点であまりよろしくはないのだと思う。とっとと寝て、とっとと起きて、明日の朝は蒸しパンをつくりたい。