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ボランティア先の同僚と映画を見に行った。一年と半年の間、週に一度は必ず会っている同学年のその人とは、お互いにまだ敬語が外れない。今日の帰り道、よほど「タメ口にしましょうよ」と言いそうになったが、これはこれで面白い気もするから、もう暫く放っておこうと思う。

昨日子どもも交えてジブリの話をしている時に、私もその人もちょっと行きたいと思っていることがわかって、仕事が終わった帰り道、歩いている私を追い越した自転車が戻ってきて、「行きませんか」と誘ってもらった。安請け合いをした後で、私的な話をほとんどしたことがないことを思い出して、「なんでこんなことになったのか」と昨晩から頭を抱えどおしだった。待ち合わせ場所には12分前について、落ち着かなくて周辺をうろちょろした。途中駅の裏手のベンチにそれらしき人の背中を見つけたけど、気づかないふりでUターンした。私より先に着いているのが意外だった。

JR二条駅をちゃんと見たのは今日が初めてだったかもしれない。ゆるくカーブを描いた屋根が、亀の甲羅みたいで愛らしい。むき出しになった木の梁も、甲羅の下すり抜けていく電車もすごく格好良くて、パシャパシャ写真を撮って、見上げているところに同僚がやってきた。

今日の目的はもののけ姫で、中学時代に金ローをチラ見した以来だったので、全編新鮮な気持ちで見ることができた。たかだか小学生か中学生の自分に簡単に理解できるような内容ではなくて、ほとんど覚えていないのも当然だろうと思われた。今だって理解できたかどうかわからない。木霊のおしりは意外と肉付きが良くて可愛かったことだけは断言できる。

うどんを食いながら映画の感想を言い合って、いつのまにか進路の話になって、それから向こうの野望の話になって、気づいたら1時間半経っていた。あんなに饒舌な人だとは思わなかった。それから電車を乗り継いで帰ったが、何やらずっと笑っていた気がする。ほとんど笑わせてもらっていたのである。

大したことを話せたわけではないのに、何だか非常に満足して帰った。新しく友達になってみたい人が久々にあらわれた。映画のチケットを買ったその場で無くしたり、スタッフさんに拾ってもらって機嫌をよくしてホットドッグを買ったり、そのせいで帰りの電車賃が危うくなって、そのくせへいちゃらでいるような人だ。大変いい奴だとふんでいる。