朝からバイトだったので7時50分ごろ床を離れる。寝たのは2時近かったが珍しいくらい起き抜けの気分がよかった。朝食を作る気にはなれなくて、駅のシズヤで塩パンとかりんとう饅頭を買って、電車をおりたあと歩きながら食った。車内でマスクを外して食べるのは配慮に欠ける気がして、やらない。
直属の上司にあたる社員の方が、子どもの鼻風邪がうつったらしく、大事をとって昼前に早退していた。確かに常より少しくぐもった声で社長に電話をかけているのを、私の真横に座っている古参の社員が聞いていて、「そんなら最初から来るんじゃない、何考えてんだ」とがなり立てる。お前のところのガキはやたら熱が長引いていて変だとかなんだとか、ただでさえ体調不良の同僚に向かって、聞いている第三者のむかっ腹が立つような悪口をまくし立てる。言われる方の社員の方はいつも冷静な人で、ああ、すいません、とか、まともに請け合っていないようだけれども、言葉の末尾が納得いかなげで、やっぱり腹を立てているのがわかる。私にとってはどちらもいい方たちだけど、二人で喋っているのを見ると、結構そりが合わないらしい。
もしもあの時私がいきなり立ち上がって、古参の社員ににじり寄って、喧嘩を申し込んでいたらどうなっていただろう。上司に迷惑をかけるだけだと知っているから、現実には絶対やらないけれど。私は瞬発力がなくって、頭の回転が極めて鈍重で、腹が立ってもそのことをどうやって説明すればいいのか、思いつくのに時間がかかる。言葉を探しているうちに怒るタイミングを失って、さっきまであんなに燃えていた花火は瞬く間にひょろひょろと火力が落ちて、何を燃やすわけでもなく命尽きる。こんなことではいつか困るに違いない。理不尽にお金とか、取られてしまうかもしれない。大事なのはきっとシミュレーションなので、今日も内心腹を立てながら、今立ち上がって何を言おう、と一生懸命考えてみたが、やっぱり上手い言葉は見つからず、いそいそと帰っていく上司をPC越しに見送った。
今日明日で来週発表のレジュメを作ってしまいたい。せめて必要な資料くらいは集めなくてはならない。土日に図書館が閉まるというのは、やっぱり結構痛い。