12/24

友人たちに話を聞いてもらったおかげで、一昨日のことは早くも物語になって、よかった。せっかく目覚ましをかけていたのに聞こえなくて寝坊した。学校に行く途中、何も流さずにイヤホンをつけていたのだけれど、前を歩く人が文庫本を開いていて、すれ違う時に詩かなにかを音読しているのが聞こえた。どんな詩だったか覚えていない。真夜中の雪道に足跡をつけるような、静かな印象だけ残っている。イヤホンをつけていなかったら聞けなかったかもしれない。

生協で始めて備え付けの電子レンジを使った。中庭を見ながら担々麺風野菜スープを食べた。久々に雨が、細く柔らかく降っていて、そのせいかあまり寒くない。昨日京都シネマで見た「燃ゆる女の肖像」のことを考えようと思った。物思いは上手な方だけど、一つのことについて時間をかけて熟考するのがとても苦手だと思った。考えるべきことがあるときは、意識して考える時間をとらなくてはいけない。だから聞いていた音楽を消して、「燃ゆる女の肖像」のことを考えようとした。言葉は少なくて、視線が大事な映画だった。まなざすことは勇気ある愛の表明で、目が合うことは大変特別なのだとかなんとか考えて、2分くらいですぐに飽き、残りのスープを飲み干した。

「燃ゆる女の肖像」はすごくいい映画だから、もれなく全員見に行ってください。