5/21②

ここ数日の不眠を補うようにして驚くほどぐっすり眠ったので、起きた時間は11時ごろだが、11時間経った今も寝起きみたいなすっきりした感覚が続いている。ちょっと怖くなるくらい快適である。いつもこういう頭の状態でいられたら、色々なことが随分うまく運ぶと思う。

昼はピザトーストを食べて、夜はキャベツと新じゃがと人参を適当に蒸し焼きにしたやつと、やたら塩辛い生姜焼きをむさぼった。1年前に買った料理酒がやたら大きなサイズのもので、いつまで経ってもなくならず、怪しみながら今日まで使い続けてきたが、今日ようやく底をついてほっとした。偉業をやり遂げた達成感がある。同時に買った醤油の方はまだ少し残っている。絶対生で舐めたくないにおいがする。今の所腹は壊していない。

中古・中世に苦手意識があるので、演習準備に取り掛かるまでにかなり時間がかかってしまう。今日だって、無料公開されている『青の祓魔師』を読んで、借りて来た『ハムレット』を読んで、黒砂糖を混ぜた牛乳を飲んで、ようやく始められたのだった。やり始めればそれなりに面白いのだが、資料を開いたタブを行ったり来たりするのが億劫なのと、つるりと読み飛ばせそうなところも引っかかってみると案外厄介だったりするのと(そこが一番面白いところでもあるのだが)、あとは単に知識不足で苦しむ。今やっているのは物語であるが、高校以来この手の王朝物語を自分で読んだことがない。担当範囲を読みながら「ひとりだろうが何だろうが着物ひっかぶって寝とけ」と「逢えたら素直に喜べ」を交互に10回ずつは考えた。

柴田聡子の自宅ライブが、明日から一か月、週3ペースでYouTube配信されると聞いて震える。aikoのサブスク配信が始まった時と同じくらい動揺している。そんなに貰っちゃあ返せない、明日から毎日近所のゴミ拾いでもしないとバチが当たるかもしれない。小さい頃から因果応報説の極端な信者で、悪いことが起こるのはその前に自分が悪いことをしたからだと本気で考えていたし、あとあまりにいいことが続くと「そろそろよくないことが来るぞ」と喜び過ぎないよう身構える癖も抜けなかった。ここ数年でそういう考え方に馴染まなくなってはきたものの、まだ少し名残があるらしい。ああいう考え方は、達成したい目標があって自分を追い込むには便利な一面もあるものの、精神衛生上よろしくないので、出来れば今後は近づきたくない。

「好きな食べ物は何?」と「特技は何?」と聞かれたらどうしよう。答えられない気がする。好きな食べ物なんかその時々でいくらでも変わる。昨日食べた一番おいしいものを思い出して答えるのがいいかもしれない。翻って特技のほうは全然ない気がする。ない気がするな、と考えながら紙に向かって落書きしていて気づいたが、私はかなり綺麗な直線をフリーハンドで引くことが出来る。安心した。明日のバイトに備えて寝る。