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twitterで見かけた葱油蚕豆というやつを作りたくて、一袋150円くらいのそら豆と青葱を買って帰った。最初に「葱油蚕豆」という文字列を見たときには気が付かなかったが、蚕豆とはそのまま、そら豆のことなのである。葱油にそら豆を合わせて蒸し焼きにして、塩で味を調えるだけ。それで、葱油蚕豆。中国料理の命名法は実に単純明快で、せいせいする。

『そらまめくんのベッド』は絵本の中でもかなり知名度の高い方だと思うが、私も御多分にもれず、読み聞かせてもらったくちである。だけれども、あの本を知っていることと、本物のそら豆がどんなであるかを知っていることとは、やはり少し違っていると思う。柔らかな繊毛の生えた肉厚のさやからそうっと筋をとり、破けないように真面目に割って内側をのぞき込むと、本当に真っ白のスポンジになっているので、驚いた。絵本を読んだ当時から約15年の時を経て、初めてこういうことだったかと知る。指で押さえるとひんやりして気持ちがよく、鼻を近づけてみれば微かに青くさい。かたちから赤ん坊のおこもりを連想したからか、さやから豆を外す時、何となく胸が痛んだ。繋ぎとめるための三日月形のパーツはいとも簡単に豆から取れた。

少し多すぎるかなと思いながら買ったけれど、さやから出てくる豆の数は二つだったり一つだったりすることもあるから、実際の量は予想よりかなり少なくて、かえってちょうどよかった。丁寧に豆を外して椀に入れる。剥いたさやは三角コーナーに縦にさしこむ。全部剥き終わるころには袋がぱんぱんだった。

見られている気がしたのだった。もともとは枝と接合していたのだろう、黒ずんださやのはじっこが、つぶらな黒目に見えてしようがなかった。青々としたさやたちはすごく生きている感じがして、うち捨てられたもののようには到底見えなかった。そのうちずんぐりした体をゆっくりとくねらせはじめ、三角コーナーから這い出して私の腕を上ってきそうだった。その緩慢な動きを想像して、少しぞっとして目をそらした。なるほどこれが「蚕豆」だと、その時初めて気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演習の準備、全然やる気がでない涙涙涙涙終わる気がしない涙涙涙涙涙