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インテリア通販サイトの亡霊である。ニトリIKEA、無印、Lowya、unico、あとは近所の古道具屋のオンラインショップなどを隙あらばふらふらと巡り歩き、結局この目で見ないとわからんぜと投げ出す、を繰り返している。友人に部屋を片付けてもらって以来、もっと住み心地を追求しようという思いが余計に高まってしまった。

今はとにかく一人がけのゆったりした椅子が欲しくて、この話をするとかなり高確率で、二人がけくらいあった方がゆったりしていんじゃない?と言われる。じっさい買ってしばらくしたら結局そういうこと思いそうだし、あんた来たとき並んで座って映画見たりすんの、よさそうだよね。でもあたし一人の部屋に、あたしが本を読んだり編み物するためだけの椅子が待っている、という状況にどうしても憧れがある。自分一人のための椅子があったら、今よりなんぼか心強いんじゃないかという夢が消えないから、もう少しその路線で探す。友達来たときゃ代わるばんこに座ろう。

ここ数ヶ月不定期に立ち寄っていた近所の古道具屋で突然目についた木製の机があった。「古い塗装なので、水のついたコップなどを置き続けると跡がつくことがあります」と注意書きがあり少しひるむが、暖かい色合いやシンプルなかたちや下に行くにつれてささやかにすぼむ四つ足や、何より価格設定が絶妙で、たまたま財布に入ってた金ですぐに買えてしまった。

その日に届けてくれると言うので自転車すっ飛ばしてうちに戻り、しばらくそわそわしていたら今から行きます、と電話が入った。マンションの下でぼーっと待っていると、子どもを後ろに乗せた自転車が目の前を通りすぎ、漕ぎ手の顔がリアルめの灰色猫のペインティングで、今年一ハロウィンらしい出来事だった。机はその後すぐに来て、部屋の真ん中に置いてほれぼれする。この3年使ってきた折りたたみ机を、申し訳ない気持ちで折りたたみ、壁に立てかけたら埃のついた黒い天板が恨みがましそうである。もう二度とその場しのぎで家具買わないからよ。

夜は同僚二人から誘いがあり、またも自転車すっ飛ばす。寒くてパーカーのフードを被った。やめるのやめさせる会ですか!?と到着即言う、というのを行きしなに決め、実行したが、振り切れず少し滑った。あとなんか、一度言ったことを忘れないことと臨機応変なのを褒められた。マジでどこで誰と何するかによるんだなーと思って、とにかく真に受けて喜ぶ。

自分の慰めのために日記を書くのでネガばかりが堆積していくが、楽しいこともあります。