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この三連休ですっかり寝正月を取り戻してしまった。明日は学校に行って、延滞していた本を返して、あとは卒論提出取消願を提出しなくてはいけない。先生に判子ももらわなくてはいけないけれど、どういう顔してお目にかかればいいものか。何を言われるかわからないが、人の話をきちんと聞くには事前にあまりシミュレーションをしない方がいいので、せいぜい今日は震えて眠る。

ただでさえ毎日凍りそうに寒いし、加えてウイルスはますます猛威をふるっているらしくて、到底外に出る気になれない。親や祖母から送られてきた大量の仕送りを朝夕食べて、段ボールの山が徐々に崩れてきた。再来月あたり引っ越すつもりでいて、部屋の片づけも兼ねてのことだが、何分背後にはホワイトアスパラの水煮がおよそ20缶控えているのである。考えると気が遠くなるので、なるべく目につかないよう使わない棚の中にしまってある。

食べて寝るだけじゃ日は暮れず、かといってこの休みに限っては頭を使う気になれなかったから、無料配信している「タイガーアンドドラゴン」を全話見た。面白くて面白くて一気に見た。若くて細くて金属バットみたいな長瀬智也と、なんかサルが太鼓叩くおもちゃっぽい岡田准一、どれだけ見てても飽きがこない。西田敏行扮する林家亭どん兵衛の、高座にあがったときの貫禄と普段の愛嬌とのギャップもいい、あんまり上手くてため息が出る。

tverで再生すると、一番初めに「作品の制作意図を尊重しそのまま配信しております」という但し書きが映し出される。竜二がリサに向かって「ブス!」と言うくだり、林家亭一門の風俗店でのお下劣な振る舞い、女性陣の一面的な性格構造(男を支えるか、男に従うか、そうでなければ全員ビッチ)などなど、確かにこれを「最新のヒューマン・コメディードラマです!」といって差し出されたら、大量に赤を入れて一旦返却するだろうし、じゃなきゃ途中で嫌気がさして、見るのをやめていたと思う。だけど、やっぱりどうしようもなく面白い。一昔前のドラマだと思えば、嫌な部分から目をそらして、安心して大笑いできる。自分でもちょっと矛盾している気がする。愛すべきものにも許せない・許しちゃいけないところはあって、許せないところがあったとしても、愛すべき部分が打ち消されるわけではないよなと思う。あらゆる古典はそうやって残ってきたはずだ。でもこの辺りのこと、もう少し色々と考えた方がいい。

今日は早く風呂に入って、早く寝る。