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何でそんなことしてるの、って思う。何のために誰のために、一体どういう訳で。余計なお世話だと嫌な顔するかもしれなくて、そりゃ申し訳ないけど、つい聞いてしまう。羨ましくて。わからなければわからないほど、羨ましい。あなたの命の根源に触れた気がしたけれど、気のせいだったかもしれない。熱の差分で錯覚する。指先からほどけて、最後に一本の毛糸になる。それもどうだか。

階段に座り込んで月を見ながら待っていた時、本当は一匹だけ蛍が見えた。小さな女の子がしゃがみこんでつついていて、父親は万歳の格好で背伸びをしていた。ビニール袋にお酒とお菓子を詰め込んで持ち歩く半袖半ズボンの大声がそばをすりぬける。もう一度月に目をやるが、もう蛍の光だかサーチライトの反射光だかわからない。湿度が高い。向こう岸の電灯が嫌な感じにぎらぎらしている。曇っていてよかった。これ以上増えたら混乱しきっていただろうので。

Baby Don't Cryの中の「絶対ひとりにはしないから」という言葉自体にぐっときたのではなくて、それをまっすぐ受け取ったのだろうあのひとがまぶしかったのだった。ビールが、ビールがおいしいよ。