10/26

四日前に買った新しいワンピースを着ている。中に薄手のセーターを着こんでみたけれど、今日は曇っているからか、思いのほか暖かくて、歩いている間リュックが背中に当たる所が少しばかり汗ばんで、気持ち悪かった。今は大分いい。

今日の四時から読書会があるので、早めに家をでて、図書館で予習している。いささか気が散ってはいるけれども。それが終わったら友人とご飯を食べる。レヴィ・ストロースを読むふりをして、何を話そうか考えている。何を食べるかは、きっと決める段になれば真面目な顔して「あれが食べたい」「これは嫌」とかもっともらしく口にしてはみるんだけれど、本当の所どうでもいい。なんだって美味しい。

もうすぐ11月が来る。と、口にすると、何だかもう涙が出そうに寂しい。あれだけ待ち望んだ10月だったから。センチメンタルに10連敗くらいしている最近だ。金木犀が雨でほとんど散ってしまった。コンクリの上では、鮮やかな赤黄色も生気がない。それに昨日読んだ『メタモルフォーゼの縁側』37話が、とても、とても、慕わしくて、というのはきっと、老人が若い命に嫉妬するようなアレの端緒で、悔しいのだけれど、実際、実のところ、そうなんだと思う。もとに戻ることはできないから、似たようなものを拾い集めて体にする。