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夜中に髪を切る、にしても、裸でハサミを使う、にしても、どこかの国の迷信にあるだろうなと思いながら、風呂上がりに前髪を切った。母の眉間による皺もこの刃先まではもはや届かないのだわと、高野文子を思い出し、やや高揚する。週末、上司が留守にしている家にしのびこみ猫を世話しにいく用事がある。楽しいか楽しくないかを滅多に考えないくらいには毎日楽しい。これはもうずっと、昔からだ。