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昨日の夜は映画を見に行って、家に帰って煙草を吸って、風呂に入らないで寝た。今朝は5時に一度目が覚めたが、次に起きたら11時だった。バイトは13時からで、もう一度寝るか迷った末、TVをつけてEテレを流しながら朝飯を食べた。瀬戸康史がまた菓子作りの腕をあげている。私はベッドに横たわったまま、食パンを焼きもせずにむさぼる。

身支度をしていたら呼び鈴が鳴った。2日程前に甲府の叔母から連絡が来ていたので上機嫌でインターフォンに出る。「なすこでりきょうさんです」。「どこからですか」と聞き返すと「イヤ、なすこでりきょうさんのやつです」と返ってくる。もう一度「何ですか」と確認したら「あー、間違えました」とぶっきらぼうな声がして、切れた。怖くてボタンをかける手が震え、暫く家も出られず、危うく遅刻する所だった。今日は上司の機嫌がやけによくて、休憩時間に外に出たらラジオ体操をしているところに鉢合わせた。ミルキーを一粒もらった。

帰りがけ、遠回りして大きめのスーパーに寄り、二つ入り500円の桃を買った。出たところでたまたま2つ下の後輩に出くわして10分くらい立ち話。シャツの胸ポケットについたボタンに髪の毛が絡まっていたから、ハサミでボタンごと切りはなしてポケットに入れて上げたら、はにかんだような顔をしていた。近況報告などして別れたが、なすこでりきょうさんのことを話せばよかったなと後悔する。つま先歩きで家まで帰った。

入り口でちょうど宅配を受け取れて、所持桃数が7倍に増えた。ポストの口から大量の割りばしとホースがはみ出ていたが、身に覚えがなかったので、一度部屋に桃を置いてから、マンションのゴミ捨て場に持って行った。スーパーから付いて来ていた全身紫づくめの女の人が、そこで初めて口を開いて、案外高い声だったのでちょっと笑った。割り箸を口にくわえながらホースで引っ張り合いをして、私が手を放したら反動でコロコロ転がっていき、そのまま向かいの家の庭に入って行った。そのへんに塩を撒いて帰った。

全部嘘だが最近は、言えば全部本当になるような気がしている。