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卒論の進捗は芳しくない、演習の発表準備も思うように進まない、そういう去年の6月はじめに私立恵比寿中学と出会ったのだった。自分の不出来と不真面目さを必要以上に気に病んで動けなくなった日は、布団の中でエビ中の動画を見漁った。初めに見たのは無料公開されていた2019年のMUSiCフェスのLIVE映像で、それから幾日も経たないうちにEVERYTHING POINTも公開分は全部見た。一番好きなのは2016年のぶん。舞台袖にいるりななんとやっさんが小突き合うところが愛おしくてたまらず繰り返し再生した。一番沢山見たのは2017年~2018年のぶん。今の6人体制になるまでに、多分メンバー全員に思うところはあったはずで、涙も怒りも沢山映っているけれど、それなのにいざカメラの前に立つとあくまで呑気で朗らかなエビ中なのだった。そのエビ中に明日新しいメンバーが加入するらしい。

ファンになってまだ1年も経っていないけれど、YouTubeにあがっている動画、ファンクラブサイトに限っては隅々まで見つくしたから、時間の感覚が歪んでしまい、結成してからの12年全部見て来たみたいな気持ちになっている。2014年以来だから、7年ぶりの新メンバー加入、感慨深くて涙が出る。6人の彼女たちに出会えて本当によかったし、新しい局面を迎える彼女たちを見守ることができたのもよかった。新メンバーオーディションに参加したのは13歳から18歳の女の子たちで、まだ年端もいかない子どもに対して匿名という安全地帯から配慮に欠けるコメントを浴びせかけたニコ生視聴者をおれは一生許さない。ああした形でオーディション合宿を公開したことを、私は手放しで賞賛する事ができないが、しかし、たった数日であってもメンバー候補の成長過程を記録公開することが、今までの彼女らの生活とエアイドルとしての生活の架け橋となることも確かに想像できて、実際どこから来たかもわからない子を「新メンバーです!」と紹介されても、納得できずに暫く受け入れられなかっただろうと思う。9人それぞれが歌って踊って喋っているところを見ているうちに、当然ながら愛着が湧いてしまい、まんまと向こうの策略に引っかかった。こうなると誰かが落ちるのがつらいのだが。

今のエビ中に去年何度も救われて、大好きになったから、変わっていく姿を見るのは少し怖い。だけど好きになった彼女たちが「エビ中」を名乗る限り、エビ中を推し続ける。よし。不安で食べたもの全部戻しそうだったが、書いたら少し落ち着いた。