10/29

大好きなアイドルグループのメンバーが暫く活動を休止する。今年の四月、去年末からの休養があけて、最近ようやくライブや動画で姿を見られるようになった矢先だった。病名で検索すると、決して治らない病気ではないようだけれど、長期にわたる頻繁な通院が必要そうだった。活動休止を報告するツイートには、大勢のファンによる励ましと応援の言葉がぶら下がっていた。一瞬、私も二言三言紛れ込ませようかと考えたけど、やめにして、代わりに上の方にあったネガティブなリプライを一つ通報した。ゆっくり休んでほしいと思う。あの子に毎日何か一つ、喜ばしいことがあればいい。

あの子たちの背負わされているストーリーが、また少し色を濃くしてしまった。私も一瞬、ああ、またこんな、と思ってしまったことを、恥ずかしながら決して否定しきれない。メンバー1人1人の身に降りかかる出来事を、全部まとめて「神様があの子たちに課した試練」と呼ぶ人がいる。共感しそうになるのを必死にこらえて、そんなものあるもんか、と大きな声で(心中そのつもりで)跳ね返す。メンバー6人全員でグループなのは勿論だけど、メンバーたちの独立した人生にアイドルグループとしての運命が作用するなんて、そんな訳はないのだ。魔法少女ものじゃあるまいし。ただでさえ頑張り屋のあの子たちに、そんな重たい荷物を背負わせるな。加えて、私の大好きなグループが、その張本人であるメンバーたちの人生に影を落とすなんて、誰にも考えてほしくない。ファンにも、スタッフにも、メンバーにも。

ただ、矛盾しているようだけど、あまりに苦労が多すぎるあの子たちだ。いちファンとしての勝手な思いだが、これ以上あの子たちを打ちのめす出来事が、あの子たちに強さを強いる出来事が、あのグループに関わる誰の身にも起こらないでほしい。昨日最年少のメンバーが二十歳の誕生日を迎えた。日付が変わる瞬間、メンバー全員でzoomをつなげて、お祝いする様子が配信された。テレビ電話で喋るには、6人という人数は少し多くて、2人同時に喋りだしたり、あるいは遠慮して全員沈黙したり、何だか終始ぎこちなかったけど。これで全員成人を迎えたからと、確か最年長のメンバーだったと思うが、「今度全員で飲みに行こうね」と言っていて、自分には何ら関係ない約束に、思わず飛び上がって喜んでしまった。グループとしてとか、アイドルとしてとか、ファンのためとかそういうのはマジで二の次であって、あの子たちが楽しく暮らしていたらそれでいいし、6人で仲良くふざけ合ってくれるんだったら、私には一番嬉しい。こういうのも、箱推しオタクの押し付けがましさだろうか。見たいのは心から笑っているあの子たちで、どうしてあたしたちがこんな目に、と喚き散らしてくれた方がずっとよくて、悲しみや悔しさを押し殺して笑う気丈な姿なんて、できることならもう、見たくない。

時間が勝手に解決して、思いと行動が報われて、色々全部よくなればいい。よくなることを願っている。こんな願いに気付かれない場所から、応援を続ける。