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昨日はちょっといけなくて、昼過ぎまで起き上がれず布団の中でもがもがとのたうっていたが、夕方から大阪で友人と会う約束があり、二時過ぎに何とか家を出た。

早めに着いた谷町の駅でしばらく待ったあと、バイト終わりに急いで駆けつけてくれた友人と合流し、生國魂神社に向かった。事前に予定を立てているときに、「まだ初詣に行けていない」と彼女が言うので、大阪でどこか行きたいお宮があったかしらと考えたときに、ふと思い出したのが "いくたまさん” だった。最近織田作之助を読んだばかりだったのだ。

ラブホだらけの薄暗い裏通りを、黒塗りの車に追い立てられながらすいすい通りぬけ、適当な入り口から入ると、いきなり織田作之助像に出くわした。高さ1.4mくらいの、あ外小さな像であったが、いたく感動して(なにしろつい最近読んだばかりなので)、パシャパシャと写真を撮った。参道を逆走する形で本堂にいたり、一応大鳥居を入りなおして、お賽銭をあげ、参拝した。友人が引いたおみくじは吉だった。頭から終わりまで最低限の事しか書かれておらず、(「待ち人 出る 願い事 叶う」といった調子)引いた本人は怪訝な顔をしていたが、結局そういうのが一番いいんじゃないか、と私は思う。

井原西鶴の坐像にも抜かりなくご挨拶申し上げ、それから千日前に向かった。アーケードは明るくて活気があったけれど、すこし裏に入ると色っぽいお店の並びやら怪しいネオンの明かりやら髪の毛ぼさぼさの男性が一人椅子に腰かけてぼうっと外を眺めているだけの鯛焼き屋やら、織田作が書きのこした大阪の続きがそこに!といった雰囲気で、かなりぞわぞわしてしまった。ちょっとしたフィールドワーク気分で、友人そっちのけで写真を撮ったりはしゃいだりしていた。法善寺横丁の近くで串カツを食べて、夫婦善哉をのぞき込み、道頓堀から心斎橋筋を通り抜け、そうして別れた。今度は神保町に行く約束をしたので、今から楽しみにしている。

帰りがけ、駅を出て信号待ちをしているところで、また妹に出くわした。彼女も大阪で高校の友人と会っていたそうで、何やら彼・彼女らの変化について色々と愚痴を言っていたが、大学も3年通った身からすればいずれもよくある話で、微笑ましくすらあった。「意味もなくみんなの二倍くらいお金を払ってかっこつけようとする男の子がいて」という話には「きもちわるいなー」と口をついて出てしまった。気持ち悪いかどうかは置いておいて(申し訳ない)、同じ年の人に理由なく奢られたって、嬉しくもなんともないよな、とは思う。

ああそう、帰ってから『映像研には手を出すな!』の初回を視聴した。思った通り無茶苦茶に面白くて、ベッドの上に正座して見た。見終えた後、風呂場で髪をすすぎながら、「人生の本質とは解けない謎と冒険ではなかったか!?」と適当な悟りを開いた。ワクワクして3時過ぎまで眠れなかったので、今朝は案の定寝坊した。明日はきちんと早起きしたい。