12/10

あまりにも発表の準備がしたくないから、こうやって日記を真面目につけてしまう、明後日が締め切りなので実はかなり切羽詰まっているのだけど、12月に入ってかなり頻繁に書いているのはそういう訳だ。タスクバーからアクセス解析、みたいなのを選ぶと、数日に一回見られているのがわかる。ひい、と思いながら、でも実はあまり気にしていない。インターネットの海に、こういう、個人的言説の堆積物が、それはもう数えきれないほどのスペースデブリが、誰にも気づかれずふわふわと、漂って目的もなく、例えばクラゲの大群みたいな、そういうのを想像すると、インターネットもそう悪くないなと思う。

にしてもこの頃ブルーライトを浴びすぎだ。今もPC画面を見ながら目の奥がずんずんする。昨日は特に光が辛くて、授業中も蛍光灯がまぶしすぎて、白いレジュメに(白いったって藁半紙だけど)反射して、まともにメモもとれなかった。今日はとてもいい天気だったのに、日光でさえ厭わしくて、段々本当に悲しくなってきて、訳も分からず涙が出た。あとから気づいたのだが、昨日は漱石の命日だった。百閒叔父貴の一番悲しい日だ。道理で、と思った。百と三年経った後でも、百閒先生、ほとほとと二三粒の涙を落としたに違いない。先生が悲しかったから、私も悲しかったのだ。ああ、道理で。

午後の授業も辛いながらにどうにか出席したけれど、始まってすぐ、突然火災報知機が鳴りだして、一時建物外に避難する羽目になった。結局報知機の誤作動で、異常はなかったからよかったけど。もし本当に火事が起こったら、と思うとおぞましくてならない。第一に本が怖い。国の財産が失われることになるし、それに、あんなに古くて由緒ある本、きっと既に念動力の一つや二つ修得しているはずなので、燃やした人にどんな呪いがかかるかと思うと、身の毛もよだつ怪談噺である。ただでさえ寒くて凍えているのだ。本当を言えば、「もしかして明後日発表しなくていいかも?」と一瞬頭をよぎったんだけど、撤回、撤回、反省します。